プラスチックへの取り組み

プラスチックがごみにならない循環型社会に向けて、どんな製品にするのかを決め、素材を選んでつくるところはもちろん、ご家庭で使い終わった後のことにも企業として責任を持ち、さまざまなパートナーとともに世界中で変化を起こしています。

プラスチックがごみにならない未来へ

プラスチックがゴミにならない未来に向けてユニリーバは2025年までに3つの目標を掲げました。

丈夫で軽く、衛生的なプラスチックは、暮らしの中でいろいろなものに使われています。しかし、その多くが使い捨てされ、年間約800万トンものプラスチックがごみとして海に流れ込んでいます。このままでは2050年の海は魚よりもプラスチックのほうが多くなるとも言われています⋆1

ユニリーバは、製品を使ってくださる方々が増えても、ごみを増やしてはならないと考えています。そこで、2010年から世界共通の成長戦略「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン」(USLP)の一環として、プラスチックの使用量削減に取り組んできました。さらに2019年10月には、従来の目標を拡充し、次のような3つの目標を発表。世界規模の消費財メーカーとして初めてプラスチックの使用量を絶対量で10万トン以上削減することを約束しました。現在は、USLPの次の成長戦略である「ユニリーバ・コンパス」の下、世界中で取り組みを加速させています。

2025年までの3つの目標:

  • プラスチックパッケージを100%再利用可能・リサイクル可能・堆肥化可能にする
  • 非再生プラスチックの使用量を半減する
  • 販売する量よりも多くのプラスチックパッケージの回収・再生を支援する

2025年までの目標を達成するため、製品開発の段階から「LBN-P」、つまり「LESS PLASTIC」、「NO PLASTIC」、「BETTER PLASTIC」というアプローチを取り入れています。

Less Plastic:プラスチックの使用量を減らす

ダヴ ボディウォッシュでボトル本体のプラスチック使用量を約14%削減

「LESS PLASTIC」は、パッケージに使用するプラスチックの量を減らすことを言います。この分野では、パッケージの軽量化のほか、つめかえ用製品・濃縮コンパクト型製品など、省資源・ごみの削減につながる製品の開発・発売を進めています。

たとえば、海外では、10倍濃縮の住居用洗剤「シフ エコリフィル」(英国など)、本体が金属製でヘッド部分だけを付け替えて使う歯ブラシ「シグナル スイッチ」(フランスなど)を発売しています。

日本でも、パッケージの改良を通じてプラスチックの使用量を年間104.2トン削減⋆2。2020年春に発売した「ダヴ ボディウォッシュ」では、ボトルのプラスチック使用量を約11%減らしました。

Better Plastic:より環境負荷を少なく、循環利用しやすく

2020年秋冬、再生プラスチック使用製品

「BETTER PLASTIC」は、パッケージにより環境負荷が少なく、循環利用しやすい素材を採用することを言います。日用品のパッケージには、安全性や使いやすさ、強度、耐久性などを考慮し、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)などさまざまな素材が使われています。2025年までに全世界でパッケージに使うプラスチックの少なくとも25%を再生プラスチックに切り替えることを目指しており、すでに10%以上を切り替えました。北米およびヨーロッパの「ダヴ」のボトルは、すべて再生プラスチックです。

日本でも、2019年秋冬から「ラックス」、「ダヴ」、「クリア」など主力ブランドのパッケージに再生プラスチックを採用。例えば「hair supplement by LUX(ラックス ヘアサプリ)」では、ボトル本体の約90~95%、つめかえ用製品の約10%がペットボトルからつくられた再生プラスチックです。これまでに、PET素材のボトルの90%以上を再生プラスチックに切り替えました(技術的に切り替えの難しい着色剤などの添加剤を除く)。このような取り組みにより、年間5,200万本分のペットボトルが「ラックス」や「ダヴ」のボトルとして生まれ変わります⋆3。また、石油からプラスチックをつくるときに比べ、年間1,200トンのCO2削減になります⋆4。今後、現時点では技術的にリサイクルが難しいPPについても社外のパートナーとともに技術検証を進め、再生プラスチックまたはより環境負荷の少ない別素材への切り替えを目指します。

ユニリーバ・ジャパンでは「リプトン ボタニックティー」「リプトン キープ&チャージ」のパッケージにPP単一素材のフィルムパッケージを採用。さらにPET単一素材のフィルムパッケージを採用した「ラックス ルミニーク サシェセット 限定デザイン」を発売予定。

再生プラスチックの導入に加え、よりリサイクルしやすい仕様への変更も進めています。その一つが単一素材化です。つめかえ用製品のフィルムパッケージは、プラスチックの使用量をボトル本体に比べて約70~90%と大きく減らせますが、中身を守るためにPET、PE、アルミなど複数の素材を組み合わせてつくられており、リサイクルしにくいという課題があります。そこで、ユニリーバ・ジャパンでは、2020年9月に「リプトン ボタニックティー」「リプトン キープ&チャージ」のパッケージに、PP単一素材のフィルムパッケージを採用。さらに、2021年4月には、日本で初めて⋆5 PET単一素材のフィルムパッケージを採用した「ラックス ルミニーク サシェセット 限定デザイン」を発売することを決定しました。どちらも中身をしっかりと守りながら、よりリサイクルしやすくなり、製造時のCO2排出量も減らせます。今後、より高い強度が求められる通常サイズ・大容量サイズのつめかえ用製品を含め、幅広い製品への応用を検討していきます。

No Plastic:プラスチックを使わない

ユニリーバでは新しいビジネスモデルも試験的に導入しており、ユニリーバ・ジャパンでも2021年2月から長野県佐久市において、日本初となる移動販売車を利用した「リフィルステーション」の実証実験を始める予定。

「NO PLASTIC」は、プラスチックを使うのをやめる、いわゆる「脱プラ」です。この分野では、紙やガラス、金属などの代替素材への切り替えも行っています。たとえば、海外の「シグナル」ブランドでは、竹製の歯ブラシや、歯みがきをタブレット状にしてガラス容器に入れた製品などを発売しています。米国の「ダヴ」では、2021年4月、ステンレス製の本体に固形のデオドラントをつめかえて使う製品を発売しました。

また、新しいビジネスモデルも試験的に導入しています。その一つが製品を好きなだけ量り売りで買うことができる「リフィルステーション」です。英国やインドネシア、メキシコでは、小売店の協力の下、店舗内に量り売りコーナーを設けています。チリでは、Algramo社と連携し、電気自動三輪車を使ってホームケア製品の量り売りをしています。

ユニリーバ・ジャパンでも、2021年2月から、長野県佐久市において、日本初となる移動販売車を利用した「リフィルステーション」の実証実験を始めました。有限会社ジャンリッツが提携する日用品・食品の移動販売サービス「みんなのご近所さん」と連携し、シャンプーなどを量り売りしています。環境意識の高い方々の他、お買い物の難しい地域の方々にもご好評をいただいています。今後も、使い捨てではなく、繰り返し使うことが“あたりまえ”になるような、新しいビジネスモデルの構築・普及を進めていきます。

マイクロプラスチックを撤廃

洗顔料やボディウォッシュなどの製品の中には、角質除去や洗浄のためにスクラブ剤が配合されているものがあります。そのうち、プラスチック製のスクラブビーズは、海洋に流入してマイクロプラスチック⋆6となる可能性があるため、2014年末までに世界中の製品から完全に撤廃し、代替成分に切り替えました。たとえば、日本の「ダヴ」の洗顔料の一部には、スクラブ剤として鉱物のシリカを配合していますが、これはマイクロプラスチックには該当しません。

プラスチックの回収・再生を支援する

 消費者の皆さまに、毎日の暮らしの中で、気軽に、お得にプラスチックがごみにならない社会のためのアクションをとっていただける「UMILE(ユーマイル)プログラム」

プラスチックがごみにならない未来をつくるためには、プラスチックが資源として回収・再生される仕組みをつくっていくことが大切です。そのため、各国・地域の状況にあわせて、さまざまなパートナーの皆さまとともに、使用済みパッケージを分別回収・再生する仕組みづくりや、リサイクル技術の開発・検証、業界団体への働きかけを行っています。たとえば、資源回収の社会インフラがまだ不十分なインドネシアでは、2,600か所を超える回収拠点までご家庭のごみを持ってきていただき、その中の資源ごみを売って得たお金を“預金”としていつでも引き出せるように管理する「コミュニティ・ウェイスト・バンク(ごみ銀行)」という取り組みを行っています。回収拠点はGoogleマップで探せます。また、インドでは、国連開発計画(UNDP)と協力し、路上や廃棄物処理場で資源をインフォーマルに回収して生計を立てているウェスト・ピッカーの方々に、資源の分別回収を仕事として依頼することで、33,000世帯以上から2,500トンものプラスチックを回収しています。さらに、ドイツでは、社外のパートナーとともに、ハンブルグ市内のご家庭から使用済みのプラスチックを回収し、処理し、「セブンス・ジェネレーションズ」というブランドの洗剤のボトルへと生まれ変わらせて市内の店舗で販売し、再び消費者の皆さまのもとへとお届けしています。

日本でも、使用済パッケージを回収し、ボトルからボトルへ、フィルムパッケージからフィルムパッケージへと再生する水平リサイクルの実現に向けて、消費者の皆さまをはじめ、さまざまなパートナーの皆さまとともに取り組みを始めています。

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2020年11月からは、消費者の皆さまに、毎日の暮らしの中で、気軽に、お得にプラスチックがごみにならない社会のためのアクションをとっていただける「UMILE(ユーマイル)プログラム」をスタートしました。このプログラムでは、ユニリーバのつめかえ製品を「買ってためる」、ご家庭で使用後に洗浄・乾燥した使用済みパッケージをパートナー店舗の回収ボックスに入れて「リサイクルしてためる」の2つの方法で、「UMILE(ユーマイル)」というポイントをためられます。ためたUMILEは、エコグッズやLINEポイントに交換したり、地球の未来を担う子どもたちのために活動している団体に寄付したりできます(1 UMILE=20 LINEポイントまたは寄付20円換算)。なお、回収した使用済みパッケージはエコグッズ等にリサイクルし、消費者の皆さまに還元します。詳しくは、UMILEのウェブサイトをご覧ください。

2021年6月からは、「みんなでボトルリサイクルプロジェクト」を東京都東大和市でスタート。同市内10カ所で日用品の使用済みパッケージの回収を行います。このプログラムを通じて、消費者の皆さまに参加いただきやすく、商業的にも持続可能な使用済みパッケージの分別回収の仕組みを検討するとともに、ボトルからボトルへの水平リサイクル技術の検証を行います。さらに、得られた知見を基に、企業・業界の枠を超えて共通利用が可能な日用品のパッケージのガイドラインの策定に貢献していきます。そうすることで、新しいリサイクルのカタチを広めていきたいと考えています。 また、2021年7月からは、九州エリアで循環型社会の実現を目指す企業連合「九州サーキュラー・エコノミー・パートナーシップ」(K-CEP:ケーセップ)による使用済みプラスチック回収実証実験「MEGURU BOXプロジェクト」にも参加しています。

ユニリーバがめざすのは、「プラスチックはごみ」ではなく、「プラスチックは資源」が“あたりまえ”になる未来です。私たちはこれからも、多くの方々とともに、循環型社会への早期転換を目指します。

*1) 出典:Ellen MacArthur Foundation “New Plastics Economy” *2) 2019年実績 *3) ユニリーバ・ジャパン予測年間数量と500mlのペットボトル25gで換算 *4) 協栄産業株式会社のデータに基づき算出 *5) ユニリーバと凸版印刷が実現したGR BARRIER®を使用 *6) 米国連邦法の定義:5mm以下の固形プラスチック粒子で、角質除去または洗浄の目的で使われるもの

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