プラスチックを「ごみ」ではなく「資源」に
丈夫で軽く、衛生的なプラスチックは暮らしの中でいろいろなものに使われていますが、その多くが使い捨てされています。そこで、ユニリーバは2025年までに全世界で「プラスチックパッケージを100%再使用可能、リサイクル可能、堆肥化可能にする」という目標を掲げています(2025年までの4つの目標を見る)。使用済みのボトルに中身をつめかえたり(再使用)、新しいボトルに生まれ変わらせたりすることで(リサイクル)、プラスチックをごみにせず、資源として何度も使えるようにしたいと考えたのです。
フィルムパッケージの「壁」
ところが、これには大きな壁があります。それが、つめかえ用製品やサシェ(1回分容量の製品)に使われる「フィルムパッケージ」です。つめかえ用製品のフィルムパッケージは、プラスチックの使用量をボトル本体に比べて約70~90%減らせます。また、サシェは旅行やお試しに便利と多くの方々にご好評をいただいています。
その一方で、一般的なフィルムパッケージには、リサイクルしにくいという課題があります。パッケージには、ご家庭で使い終わるまで破れたり穴が開いたりしない耐久性や、中に入っているシャンプーなどを酸素や光、熱といったダメージから保護する機能(バリア性)が必要です。そのため、一般的なフィルムパッケージは、PET、ポリエチレン、アルミなど複数素材でできています。再度容器へとリサイクルする際にはこれらを素材別に分別する必要があるのですが、重ね合わさっているフィルムを分けることは難しいのが実情です。
ラックスから単一素材のサシェを発売
では、この課題を解決するにはどうすればよいでしょうか。その問題に対するひとつの答えが「単一素材」を使用することです。そもそも、単一の素材でフィルムが構成されていれば分別をする悩みは存在しないのです。
そこで、凸版印刷株式会社の製品であるPET基材のGL BARRIER®にPETシーラントを組み合わせた素材をベースに、検証を行い、単一素材のフィルムパッケージを開発。2021年4月には、この技術を日本で初めて1採用した「ラックスルミニークサシェセット限定デザイン」を発売しました。
今後、より高い強度が求められる通常サイズのつめかえ用製品を含め、幅広い製品への応用を検討していきます。同時に、使用済パッケージを回収し、ボトルからボトルへ、フィルムパッケージからフィルムパッケージへと水平リサイクルする仕組みの構築に向けた検討もひきつづき進めていきます。プラスチックの回収・再生の支援については、プラスチックの取り組みのセクションも合わせてご覧ください。
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開発者のこだわりをご覧ください。
ユニリーバと凸版印刷が実現したGL BARRIER®を使用したPETモノマテリアル包材を利用