ユニリーバ・ジャパン(本社:東京都目黒区、代表取締役 社長:ジョイ・ホー)は、2023年11月1日、公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(東京都港区 会長:末吉竹二郎、以下WWFジャパン)および国内9社とともに、「国際プラスチック条約 企業連合(日本)」の発足と、企業連合による共同声明を発表しました。本企業連合には、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス合同会社の他、Uber Eats Japan 合同会社、株式会社エコリカ、キリンホールディングス株式会社、サラヤ株式会社、テラサイクルジャパン合同会社、日本コカ・コーラ株式会社、ネスレ日本株式会社、ユニ・チャーム株式会社、株式会社ロッテ(五十音順)の9社が立ち上げメンバーとして参画し、WWFジャパンが事務局を務めます。本日午後、企業連合(日本)の代表を務めるテラサイクルジャパン合同会社、株式会社エコリカ、日本コカ・コーラ株式会社、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス合同会社、株式会社ロッテの5社が登壇し、発足の経緯や、共同声明の内容につき、報道関係者向けの発表会をオンライン形式で行ないました。
11月13日~19日に、ケニア・ナイロビで、プラスチック汚染対策の国際条約の制定に向けた政府間交渉第3回会合(INC-3)が開催されます。プラスチック汚染を早期に根絶するためには、国際条約を法的拘束力のある野心的な世界共通ルールに基づくものとして制定することが不可欠です。INC-3の開催に先立ち、プラスチック問題の解決を推進する日本の企業自らが、日本政府に対し、野心的な国際条約の発足を働きかける新たな枠組みとして、WWFジャパンのサポートの下で本日、「国際プラスチック条約 企業連合(日本)」が発足しました。そして、日本政府に対し、共同声明を発表しました。
企業連合が求める野心的な条約における3つの柱
- サーキュラーエコノミーのアプローチによるプラスチックの生産と使用の削減
- 根絶ができないすべてのプラスチック製品の循環
- プラスチック流出の予防と回復
企業連合のINC-3に際しての基本的な立場
INC-3で議論される条約のゼロドラフト(たたき台)は、各国政府が実施すべき中核的な義務と政策措置の明確な選択肢を示すことを基盤とするべき
共同声明の全文(日本語版、英語版)については、以下のリンク先からご覧いただけます。
JAPAN BUSINESS COALITION FOR A GLOBAL PLASTICS TREATY 声明リンク
国際プラスチック条約 企業連合について
エレン・マッカーサー財団とWWFの呼びかけで2022年9月に発足。プラスチックのバリューチェーン全体に関わる150以上の企業、金融機関、NGO パートナーが参加し、意見を表明。プラスチックをサーキュラーエコノミーへと移行させ、プラスチックが廃棄物となり、汚染を引き起こすことを阻止することのできる、野心的な国連条約の締結を共同で求めています。
国際プラスチック条約 企業連合(日本)発足の背景
2022年の3月の第5回国連環境総会再開セッションにて、決議5/14 「プラスチック汚染を終わらせる:法的拘束力のある国際約束に向けて」 が175カ国の合意によって採択されました。これに伴い、政府間交渉委員会 (INC: Intergovernmental Negotiating Committee on Plastic Pollution) が発足。2024年末までに国際文書(条約)の内容を確定させることを目指しています。条約の具体的な内容の議論が始まる11月13日からのINC-3の開催に際し、プラスチック汚染の解決にコミットした企業自らが、交渉で重要な役割を担う日本政府に対し、野心的な国際条約を発足させるよう呼び掛けていくために、WWFジャパンのサポートで、日本において企業連合が発足することとなりました。
ユニリーバ・ジャパンからのコメント
- ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス合同会社 代表職務執行者 ジェネラルカウンセル 北島 敬之
循環型社会への早期転換には、消費者の皆さまをはじめ、さまざまな企業、行政、研究機関など社外の多くのステークホルダーの皆さまとのパートナーシップが欠かせません。ユニリーバでは非常に高い目標を、プラスチックに関してグローバル単位で掲げており、「プラスチックはごみ」ではなく、「プラスチックは資源」が“あたりまえ”になる未来を目指しています。プラスチック汚染を早期に根絶するためには、国際条約を法的拘束力のある野心的な世界共通ルールに基づくものとして制定することが不可欠であり、日本で企業連合が発足されたことは大きな一歩です。
国際プラスチック条約 企業連合(日本)事務局責任者のコメント
- WWFジャパン 自然保護室 サーキュラーエコノミー・マネージャー 兼 プラスチック政策マネージャー 三沢行弘
プラスチック国際条約を野心的で実効性のあるものとするためには、これまでの国別の規制の寄せ集めとしての形式的なものではなく、拘束力を持つ野心的な世界共通ルールに基づくものとすることが極めて重要です。プラスチックの大量生産に起因する諸問題の解決にコミットする企業にとって、このことは、公正な競争環境の下で活動できるようになるという意味でビジネスチャンスとなります。
日本でも、問題解決に積極的に取り組む企業が、「国際プラスチック条約 企業連合(日本)」を結成しました。企業連合として、日本政府に対し、削減、循環、予防・軽減を3つの柱とした、法的拘束力のある世界共通のルールを基盤とした条約制定に向け、リーダーシップを発揮することを求めていきます。
WWF(World Wide Fund For Nature)とは
WWFは100カ国以上で活動している環境保全団体で、1961年にスイスで設立されました。人と自然が調和して生きられる未来をめざして、サステナブルな社会の実現を推し進めています。特に、失われつつある生物多様性の豊かさの回復や、地球温暖化防止のための脱炭素社会の実現に向けた活動を行なっています。https://www.wwf.or.jp/