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健全な地球を取り戻すために

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気候変動を食い止め、自然環境を保全・再生し、次世代に資源を引き継ぐために、ユニリーバは2020年6月15日、広範囲に及ぶ意欲的な取り組みと行動を新たに発表しました。

5カ月前まで、ほとんどの人は新型コロナウイルスのことを聞いたことがありませんでした。しかし、この目に見えない、命を脅かす病はわずかの間に全世界に広がり、今も人々の命と暮らしを脅かしています。

このことは、気候変動と自然環境の劣化という、人類と地球にとってはるかに大きく、長年にわたって存在している脅威から関心を逸らしてしまうことになりました。

新型コロナウイルスに対応している間に、気候変動や自然環境の劣化がなくなったわけではありません。むしろ事態は日々深刻さを増しています。

だからこそ、これまで以上の努力が必要です。私たちにはもう時間が残されていません。しかし、行動を起こすチャンスはまだ残されています。

そのため、ユニリーバは、本日、地球環境をより健全なものとするための新しいコミットメントとアクションを発表しました。

Photo by Unilever employee, Ina Blatt

より大胆な取り組みで、さらに先へ

ユニリーバは意欲的な目標設定で定評があります。私たちは2010年、ユニリーバ・サステナブル・リビング・プランを導入し、約50の高い目標を掲げました。先月10周年を迎えましたが、多くの目標を達成するとともに、何が役に立ち、何が役に立たないかという点でたくさんの学びがありました。

また、2019年には、プラスチックにかかわる大胆な目標を発表しました。プラスチックを再利用したり、回収後リサイクルまたは堆肥化して再び資源として使ったりすることで、プラスチックが一切ごみにならず、自然に流出することもない循環型経済を目指しています。

そして私たちは今、さらに先を目指して、いまだかつてない領域に足を踏み入れようとしています。

ユニリーバの最高経営責任者であるアラン・ジョープは、次のように述べています。「世界中が新型コロナウイルスのパンデミックによる甚大な影響に対策を講じ、不平等が生む深刻な問題に取り組んでいる間も、気候危機は私たち全員にとって脅威であり続けていることを忘れてはなりません。気候変動、自然の劣化、生物多様性の減少、水不足など、これらすべての問題は互いに関連しており、私たちはこれらすべてに同時に対処しなければならないのです。

そうすることで、気候危機が環境面における非常事態であるだけでなく、私たちの命や暮らしに甚大な影響を与えるものであることも認識する必要があります。このため、当社には、企業として、ブランドによる直接的行動を通じて、この危機に取り組む責任があります。」

  • 気候危機に取り組む

    ユニリーバは、科学的根拠に基づく既存の目標を維持します。つまり、2030年までに事業活動からの温室効果ガス排出量をゼロにし、製品ライフサイクルから生じる温室効果ガスの負荷を半減させます。

    気候危機の規模と緊急性を踏まえ、新しいコミットメントを追加します。それは、「2039年までに原料調達から店頭販売までのすべての過程で製品からの温室効果ガス排出量を実質ゼロにする」ことです。この目標に取り組むことで、パリ協定で定められた「2050年までにCO2排出量実質ゼロ」という期限を11年前倒して達成することを目指します。

    この積極的な脱炭素化目標を達成していくためには、バリューチェーン全体を通じて、高い透明性を確保する必要があります。このいまだかつてない挑戦をすることで、ユニリーバのすべての製品のカーボンフットプリントを共有できるようにし、排出量実質ゼロを目指していきます。

    Photo by Unilever employee, Beatriz Slikta

  • 森林を大切にする

    気候危機に効果的に取り組むためには、森林、泥炭地、熱帯雨林などCO2を吸収・蓄積するエコシステムを保護しなくてはなりません。これらはパリ協定の目標を達成するために必要不可欠な資源です。

    ユニリーバは持続可能な調達の分野で10年以上にわたって業界をリードしてきました。私たちが使う森林由来のコモディティの89%は、世界的に信頼性の高い認証を受けたものです。

    しかしながら、森林破壊に終止符を打つには、さらに高い基準を目指さなければなりません。そこで、私たちは、2023年までに森林破壊を行わないサプライチェーンを実現することに取り組みます。

    また、業界、NGO、政府機関と協力しながら、森林、泥炭地、熱帯雨林のほかにも、炭素蓄積量が多く保護価値の高い重要な地域を保護しています。このような地域は大気中のCO2を吸収し、貯蔵しますが、耕地に変えられる脅威に晒されています。このような地域を保護しなければ、自然の生息地に壊滅的な影響が及ぶ恐れがあります。

    Photo by Unilever employee, Attaporn Somboon

  • 自然を再生する

    ユニリーバは、次世代のために地球の自然を再生し、天然資源を保護する活動にも着手しています。

    私たちは、長年にわたって農業におけるサステナビリティに関して高い基準を設け、森林や生物多様性を保護し、土壌劣化を食い止め、水質を保持する支援をしてきました。しかし保護と保持だけでは、十分な対策とは言えません。健全な土壌の回復、水質の保全とアクセスの改善、その地域の生物多様性の積極的な増加、森林や他の危機に晒されている地区の再生に重点を置く再生農業の実践を推進することも必要です。

    これを実施するために、ユニリーバでは農業環境の保全・再生を目指して尽力する次世代の農業従事者や小規模農家を支援していきます。

    ユニリーバが推進するイニシアチブには、法律にのっとった土地権確保、資金調達、金融面でのインクルージョン、および自然の再生のための実践的な取り組みなどが含まれます。この統合的アプローチにより、小規模農家の暮らしを向上させることもできる見込みです。

    また、ユニリーバのすべてのサプライヤーに対し、「環境再生型農業コード」を導入しています。これには、土壌、水、生物多様性など、重要な資源を再構築するのに役立つ農業慣行についての詳細が記載されています。業界全体の変化を推進するため、ユニリーバの「持続可能な農業コード」同様、あらゆる組織が有効に利用できるよう情報公開します。

    Photo by Unilever employee, Per-Alexander Charwat

  • 水を保護し、保持する

    自然の保護と再生という意欲的な目標の一環として、水の保護に一層の努力を傾けます。世界の人口の40%がすでに水不足による影響を受けており、21億人もの人々が、安全性が懸念される水を飲んでいます。気候危機の影響下で、今後も全世界で水質が悪化し、安全な水が手に入りにくくなり、水問題がいっそう深刻化していくと考えられます。

    ユニリーバ、は2030年までに、水問題を抱える地域のうち100地点に水管理のためのウォーター・スチュワードシップ・プログラムを導入する予定です。実現するにあたっては、インドのプラバート・プログラムからの学びを参考にします。同プログラムは、ユニリーバの工場のある場所や周辺地域に住む人々が、気候危機の影響が及んでも安全な水へアクセスし続けられるようにするものです。

    このプログラムは、水の管理に地域全体としてのアプローチを導入し、作期を問わず農業従事者を支援するだけでなく、安全できれいな水に楽にアクセスできるという人間の基本的な二―ズを満たしていくことも目的としています。

    ユニリーバは世界銀行が主催する「2030年水資源グループ」(2030 Water Resources Group)にも参加し、インド、ブラジル、南アフリカ、ベトナム、インドネシアなど水問題を抱える主な市場において根本的な変革を促し、レジリエンスの高い水管理ができるようにしていきます。

    Photo by Unilever employee, Amrutash Nanda P

気候&自然基金で取り組みを加速

アクションを加速させるため、ユニリーバは、ブランドを通じて新たな気候&自然基金(Climate & Nature Fund)に対し総額10億ユーロを投資します。この投資は、今後10年にわたり、地球の健全な状態を保護し、向上させるイニシアチブに活用されます。これには地区の再生、CO2排出量の削減、森林の再生および野生動物の生息環境を回復させるプロジェクトなどが含まれます。

この新たな取り組みは、すでにすばらしい成果をあげている既存のプログラムを基盤とし、さらに拡大していくものです。例えば、ベン&ジェリーズ(アイスクリーム)では酪農場での温室効果ガス排出を削減する取り組みを実施中で、セブンス・ジェネレーション(ホームケア)では誰もがクリーンエネルギーを利用できるようにするためのアドボカシーに力を入れており、クノール(調味料)では農業従事者がより持続可能な形で作物を栽培するよう支援を行っています。

「気候危機に対する取り組みにおける連帯責任は、温室効果ガスの単なるオフセットではなく、絶対的な削減を推進していくことにあります。ユニリーバには絶対的削減を実現する規模と決断力があります。」とユニリーバのチーフサプライチェーンオフィサーであるマーク・エンゲルは述べています。「しかし、これだけでは十分ではありません。健全な地球を未来に渡って長期間維持するには、森林、土壌の生物多様性、そして水のエコシステムなどの自然も大切に扱わなければなりません。

世界のほとんどの地域で、持続可能な農業生産において農業従事者や小規模農家の皆さまの経済的・社会的インクルージョンを実現することが、森林破壊の阻止、森や自然の再生を促す上で唯一の、そして最も重要な推進力となります。最終的に土地を管理するのはそうした方々だからです。自然環境の再生において変革を起こすためには、当社は次世代の農業従事者や小規模農家の皆さまのエンパワーメントを図り、協調していかなければなりません。」

健全な地球を取り戻す

新型コロナウイルスに対する世界の対応は、社会全体が根本的に変わるということがどういうことかを知る手がかりになりました。私たちは、人々が何が危機に晒されているかを理解し、本当に価値あるものとつながったとき、どれだけ劇的な変化を起こしえるのかを目の当たりにしたのです。

新型コロナウイルスとの闘いを続ける一方で、世界が直面している、気候危機と社会的不平等という2つの非常に大きな難題に取り組む努力を一層強め、加速しなければなりません。これはすべての人が取り組まなければならない課題です。政府、企業、NGOだけではありません。地球に生きるすべての人の課題なのです。

地球の資源を守りながら豊かに暮らし続けたいと願うなら、気候変動対策にも関心を抱く必要があります。

ユニリーバは、自然を再生し、健全な地球を取り戻すためにできることをもっとしたいという想いから、新たなコミットメントを掲げました。価値のない夢だと考える人がいたら、次のような質問を投げかけるでしょう。

あなたが生きているのはどの星ですか、と。

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