1990~1999年:事業再編と統合
事業の選択と集中が引き続き進められ、1990年代の終わりにはユニリーバが展開する事業カテゴリーは50以上からわずか13まで削減されます。

多くのブランドが売却または撤退の対象となり、最も将来性のあるブランドに経営資源を集中する判断が下されます。
事業再編の結果、パーソナルケア、ホームケア、食品、特殊化学品の4つの中核事業分野が誕生します。新体制はそれぞれ特定の地域と製品エリアを任された12の事業グループで構成され、新たに編成された経営委員会によって統括されます。
また、1990年代には環境破壊が進み、食物連鎖に関する消費者の皆さまの懸念が高まっている状況を受けて、持続可能な農業プログラムを立ち上げます。水資源の保全や持続可能な漁業などその他の取り組みもすぐに始まりました。
ハイライト
1992年
ユニリーバはチェコ共和国とハンガリーに進出し、ロシアにユニリーバ・ロシアを設立します。
1993年
米国で「ブレイヤーズ」アイスクリームを買収し、タイで「オーガニックス」シャンプーが発売されます。「オーガニックス」は1995年には40カ国以上で販売されます。
1994年
西アフリカに拠点を置き、貿易、醸造、繊維などの事業を営むユニリーバ傘下の巨大企業、ユナイテッド・アフリカ・カンパニーの売却が完了します。
1995年
「企業行動原則」が発表されます。
トランス脂肪が血中コレステロールに対し少なくとも飽和脂肪と同等の有害性を持つことを示した新たな研究結果を受け、食品製造にトランス脂肪を実質的に使用しないとする前例のない決断をすぐさま下します。
1996年
ユニリーバはすべての魚を持続可能な漁業資源からのみ調達するという高い公約を掲げ、WWFと共同で海洋管理協議会(MSC)を設立して、持続可能な漁業を認証するプログラムを開始します。
ヒンドゥスタン・ユニリーバとブルックボンド・リプトン・インドが合併し、インド最大の民間企業が誕生します。米国ではヘレンカーチスのヘアケア事業を買収します。
ユニリーバ・ニュートリション・センターを創設します。
インドでヨード添加塩「アンナプルナ」を発売し、ヨード欠乏症をなくすために大きく貢献できるようになりました。
1997年
ブラジルで「キボン」アイスクリームを買収します。ナショナルスターチとクエストインターナショナルを含むユニリーバの化学品事業を売却します。
1999年
株主は74億ユーロの特別配当と、株式合併による発行ごとの株式数削減を承認します。