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国連の持続可能な開発目標(SDGs)

SDGsはよりよい世界を創るまたとないチャンスです。ユニリーバは、事業規模を生かしてSDGsの目標に貢献でき、また、SDGsから恩恵を受けることもできます。


Japan sustainable living graph

世界のためのアクションプラン

ビジネスは社会に貢献するものでなければなりません。しかし、現代の社会では多くの人が取り残されています。地球は厳しい状況にあり、格差が広がり、さまざまな機関に対する信頼が失われています。

よりインクルーシブな社会や経済の仕組みが必要だと多くの人が感じています。

私たちはこの意見に賛同します。貧困や飢餓、気候変動のある世界では、企業も長期的に成功できません。しかし、社会や経済の仕組みを変えるために、企業にできることはあるのでしょうか?ユニリーバの答えは「YES」です。

2015年に国連で定められた持続可能な開発目標(SDGs)は、変化を起こす最も適切な手段です。SDGsには、2030年までの世界の目標とアクションプランが掲げられています。貧困、飢餓、気候変動のほか、ジェンダー平等、安全な水とトイレ、つくる責任・つかう責任など、人類と地球の持続可能な繁栄に関わる中心的な課題を取り上げています。

ビジネスを変える。ビジネスのやり方を変える

ユニリーバは、長年、成長とサステナビリティを両立するビジネスモデルを追求してきました。だからこそ、SDGsができるよりも前の2010年に「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン」(USLP)を導入。「サステナビリティを暮らしの”あたりまえ”に」というパーパス(目的・存在意義)の下、環境負荷を減らし、社会をよりよい方向に変えながら企業として成長し続けることを目指しています。私たちは事業活動を行うすべての国・地域、すべてのブランドで、よりよい世界への変化を起こしていきます。

Value chain graphic

世界を変えるチャンス

SDGsは世界経済や企業にとって大きなチャンスです。SDGsは最大で年間12兆米ドルの市場をつくり、2030年までに最大3億8,000万人の新規雇用を生み出すと試算されています。Business & Sustainable Development Commission(BSDC)による

社会をよりよく変えながら、ビジネスを成長させる、またとないチャンスが目の前にあります。これを逃せば、ビジネスを取り巻く環境の不確実性やコストはますます大きくなるばかりです。逆に多くの企業が力を合わせれば、それは未来への大きな力になります。

変化は常に簡単ではありません。私たちも道半ばです。でも、私たちは歩み始めました。そして、衛生、栄養、気候変動などの課題に対するユニリーバの知見やリソースを活用して、株主と社会に利益をもたらしています。ユニリーバと同じように、多くの企業がSDGsがもたらすチャンスを掴んでくださることを願っています。

2030年に向けたパートナーシップ

ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン(USLP)には約50の数値目標があります。その多くはSDGsと密接な関係があり、USLPを進めれば、SDGsの17の目標すべてに貢献できます。

私たちはUSLPの目標の多くを達成しつつありますが、一社だけでSDGsを達成することはできません。社会や経済の仕組みを根底から変えられるよう、さまざまなパートナーと協働しています。

「SDGsは17の独立したゴールではありません。17の項目それぞれが互いに関係しあうゴールを示した普遍的なアジェンダなのです。ある項目の進歩は別の項目の状況に左右されることもありますが、別の項目の進捗を推し進めることもあるのです。互いに関係するゴールであるからこそ、互いに関係するアプローチが必要なのです」

アドボカシー・アンド・パートナーシップ グローバル・バイス・プレジデント レベッカ・マーモット

SDGsの17の目標

SDGsの17の目標をUSLPの活動にマッピングしたところ、SDGsの14の目標には直接的に、残りの3項目には間接的に貢献していることが分かりました。詳しくはサステナビリティのセクションおよび下記の説明をご覧ください。

SDG1:貧困をなくそう

世界では、まだ8億人もの人々が1日当たりわずか1.90米ドルで暮らしています。厳しい貧困の中で生活する人々の収入を上げ、貧困から抜け出せるようにすることは、SDGsのすべての項目の成功の基盤となります。また、推定12兆米ドルの市場機会 を創出する鍵になります。貧困をなくすことは、経済成長と消費ベースの拡大につながり、ビジネスチャンスを生むのです。これほどシンプルなビジネスケースはありません。

ユニリーバのバリューチェーンには、原材料となる農産物を育てる小規模農家や、小売店、卸売業者など、数百万人もの方々が関わっています。私たちは、190か国を超える国・地域で、多くの雇用と収入を創出しているのです。さらに、「責任ある調達方針」に則り、サプライチェーンに関わるすべての人が適正賃金 (PDF | 5MB) (PDF | 5MB) (PDF 4.86 MB) を得られるようにすることを約束しています。また、リプトン(紅茶)、ウォールズ、マグナム、ベン&ジェリーズ(いずれもアイスクリーム)の原材料を育てる小規模農家の生活の改善や、小規模小売店の収入増を支援することで、550万人の生活を向上させることを目指しています。

さらに、インド、スリランカ、パキスタン、ナイジェリア、コロンビア、フィリピンでは、小売流通業・小売店業向けのプログラムを実施しています。現地の人々(特に女性)に職業訓練を受けていただき、小規模事業主として製品を販売していただいているのです。このことは、世帯収入を増やし、女性の経済的・社会的自立に貢献し、さらにユニリーバの販売ネットワークの拡大や売上増にもつながっています。

SDG2:飢餓をゼロに

世界では、約8億人が栄養不良に苦しみ、5歳以下の子どものうち1億5,500万人が発育不良とされています。栄養不足は子どもたちの未来を閉ざし、社会の発展に長期的な悪影響を及ぼします。その一方で、世界の食糧の3分の1は食べられることなく捨てられています。これは人道面でも経済面でも深刻な問題です。

ユニリーバは、「サステナブルな栄養」、つまり、食品や飲料をおいしく、楽しく、よりよい未来のための力にするというビジョンを掲げています。この考え方に基づき、食品・飲料製品のうち、世界的な栄養ガイドラインで最高の栄養基準を満たす製品の割合を現在の2倍(30%から60%へ)にする取り組みを進めてきました。2018年末までに48%まで達成しました。さらに、クノール(調味料)では、国連世界食糧計画(WFP)とのパートナーシップの下、2022年までに五大微量栄養素を少なくとも1つ含む食事を2,000億食分以上提供することを目指しています。

より大きな変化を起こすためには、社外の人々とのパートナーシップが欠かせません。そこで私たちは世界経済フォーラムの「農業の新たなビジョン」やSDG2アドボカシー・ハブなどの組織と協働しています。また、フード・リフォーム・フォー・サステナビリティ・アンド・ヘルス(FReSH)やフード・アンド・ランド・ユーズ・コアリションでも主導的な役割を果たしています。ユニリーバは、2025年までに食品廃棄物を半減することを約束しました。

SDG3: すべての人に健康と福祉を

途上国を中心に、年間何百万人もの人々が予防可能な病気で命を落としています。安全な水や衛生的な習慣・設備へのアクセス不足から、下痢や肺炎などにかかり、毎年140万人以上の子どもたちが5歳になる前に亡くなっているのです(SDG6を参照)。私たちは守れる命を守ることはもちろん、誰もが心身ともに健康に暮らし、能力を十分に発揮できるようにしたいと考えています。

私たちは、「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン」(USLP)の大きな目標の一つつとして「2020年までに10億人以上のすこやかな暮らしを支援する」ことを掲げ、ブランドを通じて取り組みを進めてきました。2018年末までに12億4,000万人を支援し、2020年の目標を2年前倒しで達成しました。

たとえば、ライフボーイ(石鹸)では、2018年末までに10億人以上に正しい手洗いを啓発しました。そのうち4億5,900万人は対面のプログラム、5億8,700万人はテレビによるリーチです*。ドメストでは、衛生教育やパートナーシッププログラムを組み合わせて、清潔なトイレへのアクセスを広げています。シグナル/ペプソデント(歯みがき)は、2018年末までに8,350万人に朝晩歯みがきをする習慣を啓発しました。

こうした活動と同時に、社員の安全や健康、ウェルビーイングの向上にも努めています。2018年には労働災害の発生件数が過去最小になりました。今後も世界で事故ゼロを目指します。また、アフリカ地域でのHIV/AIDS対策など、各地域・国の課題にも重点的に取り組んでいきます。

SDG4: 質の高い教育をみんなに

世界では、男の子に比べ、女の子が教育を受けられる機会が限られています。性別や経済力、社会的な立場などに関係なく、誰もが平等に教育を受けられ、生涯にわたっていつでも学べるようにすることが大切です。教育を受け、日常生活で直面する困難を自分の力で解決できるようにすることは、SDGsの達成にも、ユニリーバの将来の成長にも欠かせません。

ユニリーバは、バリューチェーンに関わる女性を対象に、トレーニングやスキル向上の機会を提供してきました。アジア・アフリカの農村部などで現地の女性にトレーニングを行い、個人事業主として製品を販売していただくプロジェクト(シャクティ、カビシグなど)には、2018年末までに173万人が参加しました。ラディアン、サンシルク、トレセメ、ダヴなどのブランドでも女性のスキル向上や起業を支援しています。

また、小規模農家を対象に、より環境に優しく、収穫量も増やせる農法を学んでいただくプログラムを提供しています。これまでに紅茶の茶葉を育てる女性たちを中心に、74万6,000軒を超える農家を支援しました。「リプトン ティーバッグ」シリーズは、こうしたプログラムを経て、国際的な環境保護団体レインフォレスト・アライアンス認証を得た農家から茶葉を購入しています。

SDG5: ジェンダー平等を実現しよう

世界経済フォーラムによると、政治分野でのジェンダー格差がなくなるまでに107年、経済分野でのジェンダー格差がなくなるまでに202年もかかるとされています。一方で、ジェンダー平等が実現できれば、2025年には世界のGDPは最大28兆ドル上がるとも言われています。

ジェンダー平等は、道義的にも経済的にも重要な課題です。また、女性が自分らしくいきいきと活躍できる社会を実現することは、ユニリーバにとっても非常に大きな意味があります。そこで、小規模農家、社員、流通・小売業など、私たちのバリューチェーンに関わる数多くの女性が安全に働き、能力やスキルを伸ばし、可能性を広げられるようにしています。2018年末までに、社内の女性管理職比率は49%になりました(グローバル)。また、社外でも、女性に小規模事業主になっていただくシャクティなどのプログラムを実施しています。

ジェンダー平等を阻む大きな原因のひとつは、女性ができること、すべきことを決めつける社会規範や先入観です。私たちはこうした有害なステレオタイプに挑み続けます。さらに、企業としてだけではなく、ブランドでも女性のエンパワーメントのための取り組みを進めています。たとえば、ダヴでは「ダヴ セルフエスティームプロジェクト」を通じて、女性や少女が自己肯定感を高め、自分の可能性を広げるきっかけを提供しています。2005年以来、日本を含む140か国以上で、3,500万人以上の少女・女性を支援しました。また、ラックスでも、日本上陸30周年を機に「SHINE WITH NO LIMITS-女性の輝きに限界なんて、ない」をブランドメッセージに掲げ、女性たちが自分らしく輝いて生きることを応援しています。

SDG6: 安全な水とトイレを世界中に

世界では、いまだに25億人が衛生設備への十分なアクセスがなく、10億人近くが屋外で排泄しています。衛生と水はユニリーバが長年取り組んできた社会課題です。既にいくつものブランドでパートナーとともに大きな変化を起こしています。

たとえば、ライフボーイ(石鹸)は、100年以上にわたって清潔さを届けてきました。2010年以来、手洗い啓発プログラムを通じて10億人以上を支援し、子どもたちが下痢で命を落とすことの多いインドなどの国で売上を大きく伸ばしています。

ドメストは、2,500万人が清潔なトイレを使えるようにすることを目指しています。ユニセフとのパートナーシップの下、2012年から2017年までに1,650万人のトイレへのアクセスを広げるとともに、衛生的な習慣を啓発しました。

また、ピュアイットでは、2005年から家庭用浄水器を販売し、1,060億リットルの安全な飲料水を提供しました。

SDG7: エネルギーをみんなに そしてクリーンに

気候変動は既に多くの国・地域で人々の暮らしを脅かし、経済損失を生んでいます。気候変動に真剣に取り組まなければ、経済成長も、SDGsの17の目標の達成も難しいでしょう。

ユニリーバは、低炭素経済への移行を主導したいと考えています。2015年には「2030年までにカーボンポジティブになる」という先進的な目標を掲げました。そして、同年11月には、ユニリーバ・ジャパンの全事業所で使用するエネルギーを100%自然エネルギーに切り替えました。そして、2019年9月には、5大陸のオフィス、研究所、工場、データセンター、配送センター、倉庫で使用する電力を100%自然エネルギーにしました。

さらに、自社で必要とするよりも多くの自然エネルギーがつくられるようにすることで、社外の方々も使用できるようにしていく予定です。こうした取り組みは、自然エネルギーを普及させ、低炭素経済への移行を進めるのに役立ちます。同時に、生産量1トン当たりのエネルギー消費量を減らす取り組みも継続しています(2008年から2018年までで52%削減)。

SDG8: 働きがいも 経済成長も

ユニリーバのようなグローバル企業がSDGsに貢献する最もわかりやすい方法の1つとして、事業を成長させることで経済成長を刺激することが挙げられます。実際、私たちは賃金として年間53億ユーロ、原材料やサービスなどの購入に年間340億ユーロ、税として37億ユーロを支出しており、今後もより多くの価値を生みたいと考えています。

ただ、成長のために地球や人々、特に弱い立場にいる人々を犠牲にすることは許されません。そのため、ユニリーバ・サステナブル・リビング・プランでは、環境負荷を減らし、社会に貢献しながら成長することを明確に規定しています。

しかしながら、世界には2,000万人から4,000万人の人々が「現代版奴隷」として働かされている現実があります。その中の1億5,000万人は学童期の子どもです。これは人権侵害であり、受け入れがたい状況です。アラン・ジョープCEOはユニリーバの現代版奴隷に対する声明の中で「ユニリーバのバリューチェーンに関係するすべての人々に対して責任ある行動をとり、敬意を表することは、法的義務を果たすだけのものではない。ユニリーバがどのような会社であるかを表すものであり、ユニリーバのDNAに組み込まれている」と述べています。

私たちは、何百万人もの人々とつながる企業として、その規模と影響力を人権の尊重とさらなる向上のために使います。詳細は人権レポート(PDF | 10MB) (PDF | 10MB) (PDF 9.45 MB) 2018年改訂版をご覧ください。

SDG9: 産業と技術革新の基盤をつくろう

低炭素経済や循環型経済に移行するためには、技術革新やビジネスにおけるまったく新しいアプローチが必要です。イノベーションは企業を支え、産業界を変えます。このことは特に途上国で顕著です。

ユニリーバは新しいビジネスモデルをすでに開発しつつあります。デジタルテクノロジーを活用した革新的な流通システムは、消費者へのリーチを広げ、起業の機会を増やしています。mFarmerなどのデジタルプラットフォームは、小規模農家との関係を変え、世界の食糧システムにも変化をもたらす可能性があります。

別の観点からもこの目標に貢献しています。「2030年までにカーボンポジティブになる」という目標は、ユニリーバがクリーンテクノロジーに投資しているということや、エネルギー効率を高めていることを意味しています。また、プラスチックが一切ごみにならない循環型経済を目指して、プラスチックのリサイクル技術への投資や、使用済パッケージの回収のためのインフラストラクチャーへの投資のほか、耐久性の高い容器を繰り返し使うLOOPなどの新しいビジネスモデルも試験的に導入しています。

SDG10: 人や国の不平等をなくそう

多くの場所で経済格差が広がっています。これはまったく公平ではなく、持続可能でもありません。システムを変えなければなりません。

ユニリーバは、すべての社員が差別されることなく、同じように機会を与えられ、公平に扱われることを「企業行動原則」と「コードポリシー」(PDF | 5MB) (PDF 8.52 MB) で定めています。また、公平で十分な生活を営むことができる報酬を提供しています。さらに、「責任ある調達ポリシー」(PDF | 5MB (PDF 4.86 MB) )により、この原則の範囲をサプライヤーにも広げています。

ポリシーは不可欠ですが、それだけでは十分ではありません。不平等を解消するためには、不平等を生む考え方や先入観をなくす必要があります。そこで、ダヴ メン+ケア(男性用パーソナルケア)、AXE(男性用化粧品)、サンシルク(ヘアケア)、ブルックボンド(紅茶)といったブランドを通じて、有害なステレオタイプをなくす取り組みを続けています。

2016年に開始した「#UNSTEREOTYPE」キャンペーンでは、すべてのグローバルブランドの広告から有害なステレオタイプを一掃しました。2017年には、国連ウィメンや他企業とともにアンステレオタイプ・アライアンスを構築し、広告からジェンダーに関わる先入観をなくすことを掲げました。そして、2018年には、アジア市場も含め、あらゆる形態のブランドコンテンツに「#UNSTEREOTYPE」の適用範囲を広げました。

SDG11: 住み続けられるまちづくりを

2030年には約50億人が都市部で生活するようになると推定されています。都市の急激な成長は、スラム化や悪化する大気汚染、不衛生な状態など、すでに多くの課題を突き付けています。ユニリーバは消費財企業として何ができるのでしょうか。

その答えのひとつが、衛生を守る製品です。ドメスト、ライフボーイ(石鹸)、シグナル(歯みがき)などのブランドは、不衛生な都市で蔓延する病気を予防するために役立ちます。実際、私たちはこれまでに12億4,000万人のすこやかな暮らしに貢献しました。

一方で、事業活動が都市の環境に悪影響を及ぼしていないかを確認しています。ユニリーバは、世界中の工場で埋立廃棄物ゼロを達成しました。また、「2020年までに廃棄物を半減する」という目標の一環として、消費者や小売店、行政との協力を得ながら、廃棄物の回収・リサイクルのためのインフラ整備にも貢献しています。たとえば、インドネシアの「コミュニティ・ウェイスト・バンク・プログラム」では、資源ごみを回収拠点に持ち込むと銀行のようにお金を貯めることができます。

また、ムンバイに数多くあるスラム街のひとつに、スビダ・コミュニティ・ハイジーン・センター(PDF | 2MB (PDF 1.76 MB) )を建てました。安全な飲料水を提供したり、洗剤を販売したりすることで、衛生状況の改善や都市部での生活の向上を図っています。

SDG12: つくる責任・つかう責任

私たちは、消費財企業として「大量生産・大量消費・大量廃棄」という社会経済システムが引き起こしている課題を深刻に受け止めています。資源をごみにせず、繰り返し使う循環型社会への移行が必要です。

そのために、まずは自社で資源を大切に使っています。2008年から2018年までで、生産量1トン当たりのCO2排出量は52%†、水使用量は44%†、廃棄物の量は97%†削減しました。

しかし、製品ライフサイクルを見ると、環境負荷の大半がご家庭で製品が使用・廃棄されるときに生じています。これを減らさなければ大きな変化は起こせません。そこで、私たちはご家庭からのプラスチックごみを減らすため、2025年までに「プラスチックパッケージを100%再利用可能・リサイクル可能・堆肥化可能にする」「非再生プラスチックの使用量を半減する」「販売する量よりも多くのプラスチックパッケージの回収・再生を支援する」ことを目標に掲げています。日本でも2019年秋冬のラックス、ダヴ、クリアの新製品から順次、再生プラスチックを最大95%使用したパッケージを採用しています。最終的にはプラスチックが一切ごみにならず、資源として使われる循環型社会を目指します(SDG14を参照ください)。また、ご家庭で製品とともにお湯を使う際に多くのCO2が排出されていることから、少ない水で洗える洗顔料やシャンプー、低温で汚れが落ちる洗剤、すすぎが1回で済む洗剤など、節水・CO2削減につながるイノベーションをお届けしています。

こうしたイノベーションは、地球の環境を守るだけではなく、ビジネス成長にも寄与します。ユニリーバの調査では、「環境や社会に優しい製品を選んでいる」または「今後選びたいと考えている」消費者は、既に50%を超えています。サステナビリティは、地域や経済状況を問わず、ブランドや製品選択の基準になっているのです。

SDG13: 気候変動に具体的な対策を

気候変動への迅速な対策の必要性に疑問を投げかける人は、今日ほとんど存在しないでしょう。約200カ国がパリ協定を元に、低炭素社会に向けた改革を推し進めており、2030年までに環境分野で約23兆米ドル規模の投資機会が生まれると言われています。

CO2排出量削減への投資は、ユニリーバにとって、コストとリスクの両方を減らす「スマートな」選択です。これまでに製造工程における省エネにより、2008年以降6億ユーロ以上のコストを削減しました。ユニリーバはすでに5大陸の事業所で使用する電力を自然エネルギーに切り替えました。2020年までにエネルギーミックスに含まれる石炭をゼロにし、さらに2030年にはカーボンポジティブになるという目標を掲げています。

ユニリーバは森林伐採が気候変動に及ぼす影響を早くから認識していました。中でもパーム油産業の森林破壊を止めることに力を注いでいます。ユニリーバの最終目標は、自社で調達するパーム油全量を持続可能かつ追跡可能なものに切り替えることです。しかし、その道のりは簡単ではありません。パーム油のサプライチェーンは非常に複雑で、現時点では全サプライヤーが生産元まで遡ることができないのが現状です。

そこで、ユニリーバは、業界最先端のマッピング技術やデータプログラムなど、数多くの取り組みを導入しています。インドネシア・北スマトラ州のセイ・マンケイ経済特区には、1億3,000万ユーロを投じ、自社のパーム油精製工場を建設しました。2018年2月には、消費財企業として初めてサプライヤーや製油所を公開しました。ウェブサイトに直接購買と間接購買の両方のリストを掲載したのです。

業界全体での変革を進めるため、コンシューマー・グッズ・フォーラムにおいて、4つのコモディティに関連した森林破壊ゼロを目指す取り組みを主導しています。また、2018年から2022年にかけて、&Greenファンドに対して最大2,500万ドルを拠出することを約束しました。ユニリーバの拠出金はインドネシアの小規模パーム油農家に重点的に振り向けられ、持続可能なパーム油の供給を確保します。

気候リスクのさらなる開示を進めるべく、ユニリーバは気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の勧告を実施すると宣言しました。これには、世界の温暖化が+2°C並びに+4°C進行するというシナリオを含めます。

SDG14: 海の豊かさを守ろう

世界中でプラスチックごみが深刻な課題になっています。毎年1億もの海の動物がプラスチックごみが原因で命を落とし、2050年には海の魚よりもプラスチックの量が多くなると推測されています。さまざまな側面から迅速な対策が求められています。

現在、世界のプラスチックごみのうち、リサイクルされているのはわずか14%です。40%は埋め立てられ、残りは自然の中に置き去りにされています。私たちは、消費財企業として、この状況を変えたいと考えています。「大量生産・大量消費・大量廃棄」から、資源をごみにせず繰り返し使う「循環型社会」への移行が必要です。

そのため、ユニリーバは2017年1月、プラスチックに関わる数値目標を掲げました。2019年10月には、従来の目標を拡充し、2025年までに「プラスチックパッケージを100%再利用可能・リサイクル可能・堆肥化可能にする」「非再生プラスチックの使用量を半減する」「販売する量よりも多くのプラスチックパッケージの回収・再生を支援する」ことを宣言しました。

私たちは、製品開発の段階から「LESS PLASTIC」、「NO PLASTIC」、「BETTER PLASTIC」というアプローチを取り入れています。「LESS PLASTIC」とは、パッケージに使用するプラスチックの量を減らすことを言います。この分野では、パッケージの軽量化や個包装の削減のほか、つめかえ用製品・濃縮コンパクト型製品など、省資源・ごみの削減につながる剤型の製品の発売を進めています。「BETTER PLASTIC」は、パッケージにより環境負荷が少なく、循環利用しやすい素材を採用することを言います。日本でも、2019年秋冬の新製品を皮切りに、再生プラスチックを最大95%使用したパッケージを採用しています。このことにより、年間5,200万本分のペットボトルがラックスやダヴ、クリアのボトルとして生まれ変わり、皆さまのもとに届くことになります。「NO PLASTIC」は、プラスチックを使うのをやめる、いわゆる「脱プラ」です。この分野では、紙やガラス、金属などの代替素材への切り替えを進めています。また、消費財各社やテラサイクル社とともに、ガラスや金属でできた耐久性の高いパッケージの製品を販売し、ご家庭での使用後に回収・洗浄して再利用する「Loop™」のような新しいビジネスモデルも試験的に始めています。Loop™の詳細はプレスリリースをご覧ください。

SDG15: 陸の豊かさも守ろう

生物多様性は世界的に減少傾向にあります。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストによると、両生類の41%、針葉樹の34%、哺乳類の25%、鳥類の13%、2万3,000種以上が絶滅の危機にさらされています。陸の生物多様性の80%を支えるのが森林であること、また、世界でおよそ16億人が食料、医薬品、燃料、住まい、職業そして生計を森林に委ねていることから、森林破壊が特に大きな危機として挙げられています。

ユニリーバの製品の原材料の半分以上は農業や森林からの恵みです。エコシステムが崩れれば、原料調達ができず、消費者の暮らしも脅かされて、ビジネスを続けられなくなります。「生物多様性なくしてビジネスなし」なのです。しかし、農業は現在森林破壊の最も大きな要因の一つになっています。農業のやり方を変えなければなりません。

私たちは、ユニリーバ・サステナブル・リビング・プランの中で「原材料となる農産物を持続可能な100%調達に切り替える」ことを目指しています。これまでに生物多様性の保護を含め、環境に十分に配慮した生産者からの調達を進めてきました。また、小規模農家を対象に環境に優しく収穫量も上げられる農法の研修を行っています。中でもユニリーバの影響力が大きいパーム油の持続可能な調達においては重点的に取り組みを進めています。

より大きな変化を起こすため、他社と共同でパーム油、大豆、紙・ベニヤ板、牛肉の4品目に関係する森林減少を2020年までにゼロにすることを宣言しました。ユニリーバは紅茶についても同様の宣言をしています。

SDG16: 平和と公正をすべての人に

平和で公正な社会は、そこに暮らす人々はもちろん、ビジネスにとっても必要です。人権が尊重され、誠実さと法令順守に基づいて行動することが求められる、インクルーシブでサステナブルな社会を構築・維持していくことは、社会に生きる人々の共同責任であり、ユニリーバの企業行動原則にも沿っています。

私たちは、サプライヤーや流通などのビジネスパートナーとともに、バリューチェーン全体によい変化をもたらすことを目指しています。これには、人権や汚職、腐敗などの課題に対して一歩進んだ取り組みをすることも含まれます。ビジネスを通して人権を推進することは、ユニリーバ・サステナブル・リビング・プランにも組み込まれており、同プランの進捗報告や人権レポート (PDF | 10MB) (PDF 9.45 MB) 現代版奴隷に対する声明などで透明性の高い報告を行っています。

しかし、ユニリーバには体系的な変化が必要な分野でリーダーシップを発揮する責任があると考えています。一例として、世界の多くの国・地域では、格差が広がり、労働者の権利が失われ、汚職や贈収賄があまりにも一般的です。世界規模では、移民という弱い立場の労働力が大きく増加しており、人身売買や強制労働に発展する可能性があります。私たちには、パートナーシップを通して、これらの課題に対応する明確な責任があります。

SDG17: パートナーシップで目標を達成しよう

SDGsは一社だけでは達成できません。「飢餓をゼロに」「貧困をなくす」「気候変動に具体的な対策を」「平和と公正をすべての人に」といった目標を達成するためには、社会や経済の在り方、環境へのアプローチを根本から変える必要があります。企業、政府、市民社会がそれぞれの役割を果たし、協調して取り組まなければなりません。

ユニリーバは、志を同じくする企業や各種機関と幅広くパートナーシップを結んでいます。そこから新しいビジネスのやり方や資金調達の仕組みが生まれることも珍しくありません。私たちがパートナーシップを通じて実現していることの例としては、業界団体であるコンシューマー・グッズ・フォーラムで2020年までに森林減少ゼロを宣言したこと、国連ウィメンや他企業とともにアンステレオタイプ・アライアンスを立上げ、広告からジェンダーにまつわる有害なステレオタイプを排除していることなどが挙げられます。また、NGOなどとのグローバル・パートナーシップに基づき、安全な水、衛生、栄養、ウェルビーイング、持続可能な調達など、幅広い範囲の課題に取り組んでいます。その多くは、ユニリーバのブランドの力を利用しています。例えば、「ヴァセリン・ヒーリングプロジェクト」では、人道支援NGOダイレクト・リリーフのパートナーシップの下、2020年までに難民キャンプや自然災害の被災地などに医薬品やヴァセリンのスキンケア製品を届け、500万人の皮膚をケアすることを目指しています。

ユニリーバは、パートナーシップを通じて、より規模が大きく、SDGsに貢献できるような変化を起こしていきたいと考えています。その一例が英国の国際開発省(DFID)とのパートナーシップであるTRANSFORMです。これは官民連携の財務モデルを採用し、健康やウェルビーイングの改善、環境の改善、生活水準の向上に寄与した実績のある製品・サービスを、サハラ以南のアフリカおよびアジアの1億人の人々が入手できるようにするというものです。また、最近では、ルワンダのカシャやケニアのUJoinなど、途上国の再貧困層の人々が携帯電話を通じて情報を得たり、商取引をしたりできるようにし、貧困から抜け出すことを支援するプロジェクトも実施しています。

† PwCが独自に検証済み

*テレビが手洗いの習慣を変えるということは、インドでの主たる研究によって証明されています。

** この結果はユニセフの測定方法に基づいたものであり、2012年~2017年の直接的・間接的イニシアティブのリーチ、ならびに2018年の「清潔なトイレ、明るい未来」による3万3,000人の子どもへのリーチを含む

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