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パーパスを通して利益を生み出す:パイオニアとして学び続けた8年間

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2018年のサステナブル・リビング・レポートを発行するにあたり、ここではユニリーバが世界にインパクトを与えるために行ってきた革新的な事例をいくつかご紹介します。

サステナブル・リビング・プランの取り組みを始めてから8年になりますが、これまでの間、数多くのターゲットに対して大きな進歩を遂げてきました。

以下の動画、またはユニリーバのハイライトページにて詳細をご覧いただけます。

また、この期間を通して私たちは多くのことを学びました。特に、新しい技術、新しいビジネスモデル、そして新しい考え方が、世界が必要としている変化を迅速かつ大規模に実現するための欠かせない要素だということです。

未だに多くの課題に直面しており、答えが出ていない課題も残っていますが、物事への取り組み方を変えることが今後もユニリーバの成長を促進する鍵となることは明らかです。

「‘サステナビリティを暮らしの“あたりまえ”に’こそ、今後もユニリーバが企業として目指していくパーパスです」と、CEOのアラン・ジョープは話します。「この取り組みをもとに、ビジネスとはよい事を促進する力であるという姿勢を、ユニリーバが率先して示し続けていきます。ユニリーバのブランドのうち、社会や環境に明確に良い影響を与えるブランドの数は今後も増えていくでしょう。これは、ユニリーバの社員の本能と消費者の期待に完全に一致しています。利益よりもパーパスを優先するということではありません。パーパスこそが、利益を生み出すものなのです。」

ここでご紹介するのは、ユニリーバが世界を変えるために行っている革新の一例にすぎません。

プラスチックの『サーキュラー・エコノミー』に向けた飛躍的な一歩

消費財を扱う企業として、ユニリーバではプラスチックのパッケージが環境に及ぼす影響を強く意識しています。そこで、プラスチック使用量の減少、より環境に良いプラスチックの使用、さらにはプラスチック使用の完全廃止を目指した戦略を促進するための新しい技術やビジネスモデルのパイオニアとなっています。実際にプラスチックを使用する際は、サーキュラー・エコノミーへの移行を約束した上で使用します。

インドネシアにおいては、サシェに使用される多層プラスチックに関して革新的な技術を試験的に実施しています。これは使用済みのサシェを商業ベースで新しいポリマーに変えることを目的としています。これが成功すれば、ユニリーバはもちろん、業界全体においてサシェのリサイクルをより循環型のプロセスにする方法が生み出されるでしょう。

また、ビジネスモデルにも革新を起こしています。1月には、「ゴミを出さないショッピング」を先駆的に提唱しているLoopとの提携を発表しました。同社では、商品が消費者に直接届けられた後、返送された容器にリフィルが行われます。ユニリーバが展開する一部のブランドでも、リフィル可能なデオドラントスティックや歯磨き用タブレットなど、Loopのプラットフォームに向けた新しい形の商品が開発されました。

イノベーションを通し、水に関する課題に対処

ユニリーバが水の消費量に及ぼす影響は、消費者がユニリーバ製品をシャワーや入浴、洗濯時に使用する際に最も顕著になります。これは一つの課題として挙げられます。というのも、水消費量の削減を目的に実施された行動見直しプログラムはある程度良い結果を生みましたが、十分なペースで進歩していないのが現状です。そこで、少量の水や水質が悪くてもで使えるもの、あるいは全く水を使用しないものなど、新しい製品や製法の開発に取り組んでいます。

例として、トイレの水を流さず消毒・消臭が行える『Domestos Flush Less』という革新的なトイレ用スプレーが挙げられます。トイレを1回流す度に約9リットルの水が使われるため、このように斬新でありながらシンプルな解決法を開発することで、水不足の地域に大きなメリットをもたらす可能性があるのです。

また、『Love Beauty and Planet』シリーズでは、コンディショナーですすぎの際により小さな粒子に変化させる革新的な技術を取り入れ、すすぎを早くしました。これにより、消費者が水を節約するためにシャワーの時間を短縮することができます。

特に女性の収入と暮らしを向上

ユニリーバは、自社のバリューチェーンを通して何百万人もの人々の暮らしに良い影響を与えられる可能性を秘めています。重視すべきグループの例として、新興市場における小規模な小売業者が挙げられますが、このような小売業を営むのは多くの場合女性です。デジタルやeコマースの革新がその力を発揮できるのは、まさにこの分野です。ユニリーバの『Shakti(シャクティ)』モデルに基づき、収入増加や成長の妨げとなっている壁を取り払うことが可能です。

Mastercardと提携を組みケニアで実施しているJaza Duka というイニシアチブは、必需品の購入や物品の販売のプロセスをデジタル化するものであり、小売業者が銀行の融資を受けるための資格を得ることができるようになります。これによって在庫を管理しやすくなり、顧客の需要を満たすのに十分な在庫を確保することが可能になります。

もう一つの例として、『TRANSFORM』パートナーシップの一環として行われているKashaというイニシアチブが挙げられます。これはルワンダ向けに作られたeコマースおよびコンテンツ提供プラットフォームで、斬新な流通システムを通し、女性の健康・パーソナルケア関連商品を他人に知られないように購入することを可能にすることで、女性に力を与え、成長を支援するものです。

植物の力を活かし、より健康的な食生活を

ユニリーバでは塩分、糖分、脂肪を減らすことを目的とした商品の見直しにおいて、大きな進歩を遂げてきました。現在では、ユニリーバが展開する製品の48%が最も厳しい栄養基準に準拠しています。この基準は、国際ガイドラインが認めた最も厳しい栄養基準です。

今日、ますます多くの人々が、天然成分で作られた植物ベースの食品を含む食事の割合を増やしたいと思っています。このような消費者の需要を満たすことは、持続可能なビジネス成長を目指すというユニリーバのビジョンと完璧に合致するものであり、実際に2018年は商品の幅も広がり続けました。

例えば、ヴィーガン向けの製品や乳成分を含まない製品の商品幅が広がっています。Ben & Jerry's (ベン&ジェリーズ)、Cornetto (コルネット)、Magnum (マグナム)、Breyers (ブレイヤーズ)はすべて、乳成分を含まない商品をもっています。そして2018年には、肉製品に代わる植物由来の食品を展開する企業として世界一を目指す、The Vegetarian Butcher社の買収が実現しました。

良いペースで進歩を遂げる中、残る多くの課題

ターゲットに対して全体的に良いペースで進歩を遂げてきましたが、2020年末までに達成が難しいものもあると認識しています。しかし、諦めるということではありません。

主な例として、廃棄物が挙げられます。2010年以来、ユニリーバ製品の消費者の使用1回あたりの廃棄物量は31%削減されました。社内業務で発生する廃棄物を減らしたり、パッケージデザインの変更など、直接関与できる部分においては著しい進歩が見られました。しかし、回収・リサイクルのインフラを促進するよう積極的に外に働きかけてはいるものの、直接手の及ばない部分では進歩のペースが比較的遅いというのが現状です。今後は、パッケージの改善やリサイクル品への需要促進に向けて、ペースを上げて取り組みを続けていきます。

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