経済への影響

私たちのビジネスは発展途上国や新興国市場で急激に成長しています。将来も継続して成長し続けるためには、サステナビリティに配慮した新しいビジネスモデルが必要です。

Project Novella ユニリーバのアプローチ

経済開発における多国籍企業の役割については、多くの論争が行われてきました。世界中で富と雇用を生みだすばかりではなく、技術を分かち合い、ベストプラクティスを開発し、企業行動の基準を設定することにおいても企業が重要な役割を果たすことができると、私たちは信じています。

発展途上国および新興国市場の売上は、ユニリーバの売上の中でますます大きな部分を占めるようになってきています。ユニリーバはこうした市場で長年ビジネスをしてきました。収入の不安定な低所得者層からより豊かな層に至るまで、あらゆる収入レベルの消費者ニーズに応えることができるからこそ、継続的に成功を収めてきたのです。これはユニリーバの重要なアプローチの一部です。

インドネシアや南アフリカでのビジネスに関する研究は、ユニリーバが地域経済にもたらす影響を、より深く知る手がかりとなりました。これらの研究や、世界中の農家と協力した経験は、社外と協力する私たちの方法が経済成長を促進し、貧困を緩和しうることを示しています。現在私たちは、この学びを活かし、サプライチェーンおよび流通チェーンにおいて小規模農家と零細企業モデルを支援しています。

ユニリーバの経済的影響

従業員、政府、投資家、そして私たちがビジネスする地域のその他多くの人々は、私たちの活動から経済的利益を受けます。

2008年405億ユーロの販売収益(総売上)のうち293億ユーロをサプライヤーに支出し、ビジネスを通じて112億ユーロの付加価値を創出しました。私たちの従業員は合計53億ユーロと、最も大きな割合を得ています。私たちの営業資金を出資する資金提供者は、配当支払によって2 番目に大きな額を得ました。

経済発展

総株主還元額は企業評価の中核であり、配当額と株価の変動を反映します。長期的には消費財メーカー21社のうち3年ベースで上位3位までに入りたいと考えています。2008年には第9位でした。

発展途上国および新興国市場での成長

ユニリーバのビジネス戦略とサステナビリティ戦略は統合されつつあります。社会や環境への配慮が同時にビジネスチャンスでもあるからです。そのようなビジネスチャンスの1 つに、発展途上国および新興国市場の低所得者層の消費者ニーズに応えることがあります。

2008 年では、私たちの売上の47%は発展途上国と新興国が占めています。私たちはこれらの国々、特にアジアの国々が、人口増加と購買力の向上によってさらに存在感を増していくものと予想しています。

私たちの目標は、あらゆるお客様のニーズに応え、満足していただけるような質の高い製品をお届けすることです。利益には結びつきにくいものの、流通チャネルを変えたり、サイズを小さくしたり、あるいは全く新しい製品を開発するなどして、経済的に恵まれない人々にも良い製品をお届けできるビジネスモデルを開発しようとしています。

低所得の層に口と歯のケア製品をお届けする努力を続ける中で、2008 年に私たちは、高品質低価格の歯みがき粉を発売しました。ペプソデント・スマート・クリーンは、インドではちょうど10 ルピー(16 ユーロ・セントに相当)、インドネシアでは1,850 ルピア(約13 ユーロ・セント)で販売されています。

家庭用浄水器ピュアイットは、インドの中流家庭に安全な飲み水を手ごろな価格で提供しています。これは水を煮沸したり、買ったりするよりも安価です。ピュアイットでは女性を雇用して製品を訪問販売してもらい、流通チェーンで雇用を生みだしています。

ユニリーバのMDG への貢献

「国連ミレニアム開発目標(MDG)」は、世界の貧困を半減させることやHIV/AIDS の拡大を阻止することなど、2015 年までに各国政府が達成すべき8つの目標を定めています。ユニリーバは、ビジネスとバリューチェーンの中で生み出される富と雇用、また、「国連世界食糧計画」やユニセフなどの組織とのパートナーシップを通じて、MDG へ貢献しています。

経済成長を支える

サプライヤーとともに

2002 年に私たちは、「ノベラ・パートナーシップ」を共同で設立しました。これはアフリカにおけるアランブラキア・オイルの生産を拡大するプログラムで、同時に貧困を軽減し、持続可能な企業を促進するものです(26 ページ写真)。このパートナーシップには、ユニリーバ、「国際自然保護連合(IUCN)」、「オランダ開発機構(SNV)」、「世界アグロフォレストリー・センター(ICRAF)」その他が参加しています。アランブラキアの苗木を農場に植えるために、2008 年までに約40,000 本がガーナとタンザニアで育成されてきました。10,500 人ほどの人々が、農場労働者として、農園主として、自生する木の種の採取者として、アランブラキアにかかわっています。ナイジェリアでもアランブラキアの持続可能な育成を促進する計画です。

2002 年以来、私たちはこのプログラムに700万ユーロの投資を行ってきました。これによりアランブラキアの質の高いオイルの供給が保たれ、貧しい農家に新たな収入源をつくりだすことができました。農家の収入はすでに総計で100,000ユーロ押し上げられたと推定されます。2017年までにこのパートナーシップを200,000 の農家に広げ、2,500 万本のアランブラキアを植えて、この木の栽培によって農家の1日の収入を1ドルから2ドルに倍増させることを目標にしています。

2008 年に欧州委員会がアランブラキア・オイルのマーガリンへの使用を承認したのは、私たちにとって大きな一歩となりました。

流通において

ステークホルダーからの言葉:

「『オランダ開発機構(SNV)』とユニリーバは協力して、小規模生産者、現地の加工・商業者の能力と相互のつながりを強化しました。ユニリーバのグローバルなマーケティング視野は、現地の生産性、収益性、雇用に、計り知れない価値をもたらし、貢献しました。」

ロイ・ヴァン・ダー・ドリフト

シニア戦略アドバイザー、SNV 東アフリカおよび南アフリカ地区

2000 年にインドで立ち上げられたシャクティの取り組みは、インドの農村部に住む女性に個人
事業主となってもらい、ユニリーバの製品を訪問販売してもらう試みです。2008 年末までに4 万5,000 人以上のシャクティ事業者が誕生し、10万の村で300 万世帯を対象に販売活動を行っています。ユニリーバのインド法人は、この取り組みにより農村部への直接販売を倍増させることができました。シャクティに参加した女性は一家の収入を倍増させるとともに、誇りを持って充実した生活を送ることができるようになりました。私たちは現在、スリランカ、バングラデシュ、フィリピンでも同様の取り組みを行っています。

バリューチェーンにわたって

ユニリーバは「世界経済フォーラム」のパートナーとして「慢性的飢餓に対するビジネス連合」のプロジェクト運営に関わっています。これにはケニアの企業および銀行やその他の多国籍企業が参加しており、ユニリーバ・ケニアの経営陣の1人がプロジェクト・リーダーとして出向していたこともあります。
目的はケニアの貧しい小規模農家のビジネスを強化し、協力して収益力を増大させることです。この取り組みでは、これら農家の生産物市場を開発し、バリューチェーン全体にわたる経済的発展を促進する道を模索しています。